未知の光

彼らは森の奥深くに住んでいた。ここは時間がほどよく曲がり、四季が一日で渦を巻いている場所だった。彼らは毎日、陽の光を浴びていたが、それは普通の光とは違っており、一つひとつが生命を持つかのように、彼らの体を通り抜けるたびに何かを植え付けては去っていった。

一人の彼は、特に光を纏うことに長けていた。光は彼の周りで踊り、彼が触れる木々や石、水もまた異なる振動を帯びるようになる。しかし、彼は自分が光との間に何をしているのか、どのようにしているのかを知らなかった。彼の存在はただ光と調和し、それを増幅することだけに専念していた。

もう一人の彼もまた森に住んでいたが、彼は光を感じることができなかった。彼には光が見えなければ感じることもできず、その存在すら信じがたいものであった。彼の日々は手触りや音、匂いに頼って生活していたが、森の奥深くではそれさえも不確かなものであり、しばしば彼は孤独にさいなまれた。

ある日、光を纏う彼が、光を感じることのできない彼に会いに行った。この出会いが、森の時間を再び織りなす契機となるとは、そのときの彼らはまだ知る由もなかった。

「どうして光を感じることができないの?」光を纏う彼が尋ねた。

「どうして光を感じる必要があるのか?」と光を感じることができない彼が反問した。

彼らは長い沈黙の後、互いの世界を理解しようと森を一緒に歩み始めた。光を纏う彼は、光を介して世界を教え、時に光を通して彼の感覚を共有した。それに応じ、光を感じることができない彼は触れること、聞くこと、匂いをかぐことで応えた。

歩を進めるにつれ、光を感じることができない彼にも、光の存在が少しずつ理解され始めていた。彼は光が彼らの間に静かなリズムを作り出すのを感じるようになった。そして彼自身もそのリズムに合わせて何かを感じ始めていた。

最後に彼らは森の中央に達し、そこには光が一点に集約される場所があった。光はここで最も強く、純粋で、彼らを包み込んだ。光を纏う彼は、ここが森の心だと説明した。そして、光を感じることができなかった彼は、初めて自分も光の一部であることを感じた。

二人は何も言わずに森を後にした。光を感じることができなかった彼にとって、光はもはや見えないものではなく、感じられるものとなった。そして光を纏う彼にとって、共有することが新たな光を生み出すことを学んだ。

それぞれの胸には新たな光が宿り、彼らは再び森の奥深くに消えていった。森の中の小さな光が、ひっそりと揺れている。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です