深い青が徐々に空を埋め尽くし、第七の衛星が西の地平線に沈むとき、彼らは日の誕生を体験した。彼ら、つまりこの世界の住民は、夜が明けることを知らない。彼らの世界は常に星々の流れと、無数の衛星の動きによって照らされている。しかし今日、彼らは初めて、太陽が昇ることを目撃することになった。
一人の住民(求道者とでも名付けよう)が、禁断の山のふもとに立っていた。その肩には古い布がかけられ、手には朽ちた木の杖を握っている。求道者は、人々の間で語り継がれる伝説、太陽の神話を探求する旅をしていた。星々の光だけが照らす世界に、どうして「日の光」が存在するのか、その謎を解き明かすことが彼の使命だった。
この日のために、求道者は幾星霜の時間を費やしてきた。彼は学者たちの書かれた古文書を読み解き、忘れ去られた言葉を学んだ。そして最も重要なこと――彼は心を静める技術を磨いた。彼には理解されるべき真実があることを、本能的に感じていたからだ。
夜がまだ深い中で、彼は山を登り始めた。足元はほとんど見えず、杖だけが彼の道しるべだった。登るにつれて、風が強まり、彼の体を包む布はひるがえった。それでも彼は止まらず、頂上へと向かった。
頂上に立つと、彼の目の前に広がる空は、今まで見たことのないような色彩で満たされていた。赤、橙、黄。彼が見た夕暮れの風景はどれもこれと似た何かを持っていたが、これほどまでに鮮やかで、生命を感じさせるものではなかった。
そして、緩やかに地平線が光り始めたとき、彼は理解した。「これが日なのか」と求道者はつぶやいた。太陽がゆっくりと昇り始めるのを見ながら、彼は人々が何百年も前から恐れていたもの、そして同時に待ち望んでいた光景が、ただの自然の一部であると理解した。
彼はその瞬間、自分が世界と一体であることを感じた。孤独や恐れ、同調の圧力、これらはすべて一時的なもので、大いなる宇宙の中の小さな一部に過ぎないと。彼の心の中で、新たな認識が芽生え始めていた。
山を降りる途中、求道者は太陽の光が岩に映る影を見た。すべては繋がり、すべては循環している。彼は杖を地面に突き立て、もう一度深く息を吸い込んだ。そして、彼は自らの旅が終わったことを知り、心の中の新しい旅が始まったことを感じた。
彼がその場を後にするとき、最初の太陽の光が彼の影を長く引き伸ばした。それは彼の過去を象徴し、そして彼の未来へと続く道標だった。彼は振り返らず、ただ前へと歩き続けた。
コメントを残す