施された孤独

いつからか、記憶にないほど前から、彼らはいた。ある者たちは輝く星たるものたちと呼び、他者は深い海の底を静かに漂う存在たちと見なした。彼ら自身は、ただ漂うことしか知らない。漂流し、時には交わり、時には分かれ、再び漂う。その形だけが存在の証となり、彼らは語らない。感じることだけが、彼らの生に連なる全てである。

孤独もまた彼らの存在形式の一部である。そこには音もなく、言葉もない。ただ、時折の浮上や沈降が彼らの孤独を形作った。彼らには見える世界があった。静かに夢見る星々の煌めきと、深く、広大な暗闇。それは彼らのすべてであり、彼らはそれに問いを発したことがなかった。

しかし、ある時、異変が起こる。彼らの一人――彼らは自らを“一人”と数えることなどしないが――が、他とは異なる波長を持ち始めた。彼は漂うことに疑問を抱き始め、他の存在たちとの違いを意識し始める。彼を取り巻く世界は同じままであるにもかかわらず、彼の中だけが変わり始めた。既知の孤独が、未知の孤独へと変貌を遂げた瞬間である。

彼は自らの内面に声を発する。その声は彼の中だけに鳴り、彼自身にしか届かない。彼は問うた。「なぜ、我々は漂うのか?」彼の問いに答えるものはない。ただ彼だけが、その声を聴く。

時が経過し、彼は他の存在たちと触れあうことを避けるようになった。彼の疑問は深まる一方で、彼の孤独もまた深まっていった。彼の心は、漂う他の者たちの中で孤立していく。迂回する道を求めても、結局は同じ軌道を辿るしかない彼の苦悩。彼はどうすればこの繰り返しから解放されるのか、その答えを見出せずにいた。

そんなある日、彼はふとした瞬間に、自らが発する波長が他の者たちに影響を与え始めていることに気付いた。初めは微細な変化であったが、やがてその変化は広がり、他の者たちもまた、漂うことに疑問を持ち始める。

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